いざ、王宮へ

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「ミィを連れてきました」 入り口で立ち止まったティムがそう言うと 「ティムが連れてきたというよりは、ミィが来てくれたという様相だな。馬に乗るのか?」 視線を私の上から下まで往復させながら王が尋ねられる。 「はい…乗るというか…」 「「止まってっ」」「「無礼です」」 何…? 今来た廊下が騒がしくなり、ニルがティムと私を室内へ押し込み、先導してくれた二人がドアを急いで閉める。 「何?」 閉まったドアを見つめて声にすると 「大丈夫だ」 ティムが私の頬を撫でた。 「ミィ、馬に乗るのかと父が聞いていたところだ」 「あ、失礼しました…屋敷の馬たちが賢くて、上手に乗せてくれます」 「ははっ、それはいい。二人とも前へ」 そう言われてティムに倣って前へ進むが…ドンドン…ドアが叩かれている。 「デュアンたちには困ったけれど…あれで入れると思うのがよくないから…ミィ、ごめんなさいね」 「ぃえ…」 王妃がそうおっしゃるので廊下にはお兄様たちが来ているということか。 「このお花を…プレゼントにと。お名前を聞き忘れましたけれど、道中のお花屋さんからお預かりしました」 「はぁ…ミィ様…」 後ろのニルがため息を吐いたので振り向くと 「ミィ様から、でよろしいのです。彼女は自分のところの花が王妃に届けば嬉しいわけです。それを帰り道のミィ様から聞けば満足ですし、ミィ様とティム様が店で花を求めれば尚更良し、というのが彼女の算段です」 執務室にいる時のように真面目に私に教えてくれた。 「そう…ありがとう、ニル。わかりました」 ニルにそう伝えるとティムは微笑みながら私のポニーテールを撫でた。 「今日はお伝えの仕方を間違えましたけれど…王妃へというお花なので、どうぞ」
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