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1年1組。
今日校舎前で発表されていたわたしのクラスだ。
教室上部にある1年1組のプレートを何度も確認して、ドアの前で深呼吸。
入学式という第一関門は突破した。
生徒が少なかった中学とは違い、10クラスもあるこの高校の入学式は1学年だけとはいえかなりの人数が体育館に集合していた。
そんな中でわたしは普通に式を終えることができたことに喜んでいた。
なんにも目立っていない。
話しかけられることもなかった。
今のところは順調。
そして次の関門がこのクラスだ。
本来地味で普通な容姿の自分が目立つこと自体あり得ないのだが、人生どんなアクシデントが起きるとも限らない。
ここは慎重に行動するべきだ。
普通にドアをあけて席を確認して座る。
それだけでいいのだ。
一通りシミュレーションしたわたしはドアを開けクラスへと入った。
わたしが見るのは黒板。
そこで席を確認したわたしはさっとその席へ移動するべく後ろを振り向いた。
ここでもたついては人の迷惑になるうえ、下手に人目を集めかねない。
今見た席への移動を、と一歩動いたところでわたしの席周辺に人が集まっていることに気づいた。
わたしの斜め後ろの席の人物を囲んでいるようだが、わたしが座るべき席まで人が広がっているため座ることができそうにない。
どうしたものか・・・。
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