154人が本棚に入れています
本棚に追加
「へ・・・?あ、あの・・・。」
突然の出来事にわたしの頭はパニック状態。
なにがどうなってこの状況?
握られた手と、目の前の整った顔を交互に見る。
「やっぱり、平気だ。」
「はい・・・?」
とりあえずこの手を離そうともがくも、がっちりつかまれていて外れない。
やばい・・・。
嫌な汗がたらりと背中を伝うのを感じる。
この状況は非常によろしくない。
視線をひしひし感じるこの嫌な空気は大変いただけない状況だ。
それなのに目の前のやたらと顔のいいこの男はやけに嬉しそうだ。
なぜ!
がやがやと周りが騒がしくなったところで、がらりとドアを開けてクラスの担任が入ってきた。
「おおい!席につけーー!」
野太い声が教室に響く。
その声でようやく手が離れたため、わたしはすぐさま自分の席へと座り、その後一切後ろを振り向くことはしなかった。
どうしよう。
なんか知らないが注目を浴びてしまった。
これはもう家で対策会議を急ぎ開かなくてはいけない。
会議と言っても参加者はもちろんわたし一人だ。
いや、いつものようにマミちゃんにも話を聞いてもらおう。
と、現実逃避するようにわたしの癒しでもある天使のごとく美少女なマミちゃんを思い浮かべる。
あとの時間は、とにかく終わったらすぐに教室を出て家へ帰るというシミュレーションに費やした。
最初のコメントを投稿しよう!