妻の命日は娘の誕生日

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僕の名前は『仁貴(よしき)』、静岡県富士宮市出身で東京に上京して4年制の大学を卒業後、静岡県富士宮市にUターン就職した27歳の平凡な男子会社員だ。 僕が勤務する会社は医療機器を製造する医療機器メーカーで、僕はこの会社で出会った2歳年下の『理世(りよ)』と2年前に結婚して富士宮市内の賃貸マンションで生活している。 そんな理世のお腹に赤ちゃんを宿したと知ってから、理世は大事を取って4月から会社で産休を取得し、自宅でのんびりと過ごしている。 理世と僕は産まれてくる赤ちゃんのことが楽しみで、名前をどうしようかと考えることが楽しかった。 出産予定は8月で、お腹の赤ちゃんの性別は公開してもらっていて女の子だと分っている。 比較的過ごしやすい季節の5月のある日の夜、2人で月を眺めながら赤ちゃんの名前を相談している時、 「皆から愛される美しい名前がいいね!」 と理世が言ったので僕が、 「花とか華の文字を使うとか…」 と言うと理世も、 「それいいかも!」 と同調してくれた。 この日の月はスーパームーンの美しい満月だった。 理世と僕は、産まれてくる赤ちゃんの準備の話などをしながら幸せな気持ちに包まれていた。
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