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「理世、苦しそうだね!」
僕が理世に言葉をかけると理世が、
「息が苦しくて、胸が痛いの…」
とやっとの思いで言葉を発しているようだった。
「理世、今は自分の体を治すことだけを考えて安静にしてね!
僕は、何もできなくてごめんね!」
僕が言葉をかけると理世が、
「お腹の赤ちゃんのことが心配だよ!」
と言ったので僕は、
「きっと大丈夫だよ!
理世もお腹の赤ちゃんも大丈夫!」
と言葉をかけた。
その言葉は、理世にとって励ましにもなにもなっていないように感じたけれど、僕はこう言葉をかけるしか思い当たらなかった。
理世は話をするのが辛そうだったので、面会は15分程度で終了となった。
新型ウィルスに苦しんでいる理世の姿を目の当たりにした僕は、とても辛い感情に襲われた。
その後も理世の病状は、悪化の一途をたどっていた。
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