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翌日病院から理世が危篤状態になったと連絡があった。
僕が急いで病院に行くと医者から、
「奥様はとても危険な状態にあります。
そこで相談があります。」
と告げられた。
医者の説明はさらに続いた。
「今、お腹の赤ちゃんを帝王切開で取り出せば、赤ちゃんは確実に助かると思います。
ですが奥様の体に負担がかかるため、奥様の命はより危険な状態になります。
帝王切開をしなければ、奥様の体に負担はかかりませんが、現時点で奥様の病状に改善がみられないため、奥様とお腹の赤ちゃん2人とも命を助けることはできない可能性があります。」
医者からの説明に僕は、
「妻の命を助けるのは難しいという意味ですか?」
と質問すると医者が、
「はい、そうです。
今、決めていただきたいのは帝王切開をして、お腹の赤ちゃんの命を確実に助けるかどうかです。」
と告げられた。
僕はショックが大きくて、どうしたらいいのかとても苦しい判断に迫られた。
僕は理世の命を優先したいという気持ちが強くて、帝王切開はしたくないという思いが強かった。
しかし、昨日の理世とのオンライン面会で理世から、
「仁貴、お腹の赤ちゃんのことお願いね!」
と言われたことを思い出した。
僕は少し時間をもらって、考えに考え抜いて結論を出した。
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