番外編②雪side(中編)

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紫夕(しゆう)に引き取ってもらって、ずっと弟みたいに可愛がってもらってたオレがそう感じるんだから間違いない。いつも紫夕(しゆう)は、オレの事を本当の身内のように想ってくれてた。 本部(ここ)に来て、色々検査してもらったオレが「この子は身体も弱くて、色んな機能が……。例えば、生殖機能もあまり良くないので将来子供も望めるか分かりません」って医師に言われた時、自分の事みたいに悲しんでくれてた。 今でこそ紫夕(しゆう)はオレの前で嬉しそうに微笑ってくれるようになったけど、昔はいつも悲しそうだったり、辛そうな表情(かお)しか見ていなかった気がする。 ……オレはこの先、紫夕(しゆう)に何をしてあげられるんだろう? 子供達と楽しそうに訓練している紫夕(しゆう)を見ていると、そう思わずにはいられない。 何でオレ、男に生まれてきたんだろうーー……? ……でも。もし自分が女だったら、紫夕(しゆう)は「俺と暮らそう」とは言ってくれなかったかも知れない。 そしたら傍には居られなくて、紫夕(しゆう)と一緒に居られる"今"はなかったかも知れない。 自分が今の自分だから、紫夕(しゆう)から貰ったたくさんの幸せがあるのだと分かる。 けど、色々考えてしまう。 馬鹿で無駄な事かも知れないけど、考えたり、思わずにはいられないんだ。 紫夕(しゆう)との子供だったら、きっともっと可愛いんだろうなーー……。 って。 赤ちゃんや子供達を見て、そんな、自分には絶対に叶える事の出来ない未来を想像してしまうんだ。 …… …………。
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