序章(1)紫夕side

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この世界を救う為に、人々を救う為に創られた守護神(ガーディアン)。 しかし、現状は圧倒的に人員不足だった。 ()らなきゃ()られるーー。 そう分かっていても、じゃあ「私も戦います」なんて全員が全員言う訳がなければ、「戦いたい」と言って、誰もがみんな強くなれる訳じゃない。 守護神(ガーディアン)として動けるのはほんの一握りで、また魔物も俺達の事が分かっているかのように戦闘を繰り返す度に学び、進化する。 生きる為に、生き延びる為にーー。 それは、人間も魔物も一緒だった。 圧倒的な身体能力、筋肉のつき方。明らかに力では人間は魔物に勝つ事は出来ない。 そこで人間は知識を使って様々な武器や兵器を造り出し、魔物に対抗する。 その結果。守護神(ガーディアン)を創った人間のお偉いさん達は、とんでもない武器を開発した。 魔物に対抗するなら、魔物の力を借りればいい、とーー。 魔物を生捕りにして、研究を重ねて重ねて……。魔物が持つ様々な特性を宿らせる武器を造り出した。 その、魔器(マギ)と呼ばれる武器の効力は絶大で、魔器(マギ)の力を持ってすれば、現在この世界で発見されている全ての魔物に対抗出来る。 どんなに硬い外皮でも傷付け貫き、下級の魔物であればまるで豆腐のように容易く切り裂く事が出来た。 ……けど。 それは、誰にでも扱えるものではなく。上手い話には当然、危険(リスク)はつきものだ。 魔器(マギ)は人を選び、自分を扱うに値しない人間が触れると、その生命力を全て跡形もなく吸い取ってしまう。その適合試験が第一関門。 しかし、上手く適合しても、魔器(マギ)は"使う度"に使用者の生命力を徐々に奪っていき、また進化もしていく。これが、第二関門。 魔器(マギ)を身体から放し、睡眠などの休息を取れば生命力は回復するが、その管理を怠ったり、また一度の戦闘が長引いて長時間魔器(マギ)を使用すれば……命を落とす。 おまけに、戦闘を重ねる毎に進化していく魔器(マギ)は強くなればなる程、一度に奪う生命力は大きくなる。
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