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加治の態度は、今までとはあまり変わらなかった。しかし、観覧車の前に来ると、なんとなく乗り気のしなかった園子のことをほとんど無理矢理、頼み込むような形で誘ったのだった。
いつもと少し違う加治の様子に、園子は折れることにした。そして一緒に観覧車に乗ったのであった。
園子は今まで観覧車には乗ったのは二回目であった。男性とのデートもあまり経験がなかった。高校、大学、そして社会人になって十年になろうとした頃、加治とのお付き合いが始まった。だから観覧車に乗ったのは本当に久しぶりであった。
そしてそのとき、園子は以前乗った観覧車のことを、急に思い出した。
(続く)
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