217人が本棚に入れています
本棚に追加
/1148ページ
「ステーキのお肉も、その時によって変わるらしいし」
「ウンウン」
光莉は軽く受け流して黙々と食べている。絶対聞いてないね。私はゆっくりステーキのお肉を咀嚼して、肉汁を味わっている。
「はあっ。美味しい…!今まで食べたどのステーキより、おいしく感じるわ」
「聖香ちゃん。そうね。そうよね。頑張ったからこその、ご褒美だもの」
「お義母さんは、光莉の時と大地の時と、両方お肉料理にしたの?」
「うん。お肉最強!」
満面の笑顔でお義母さんは即答して、私は「ふふっ」と笑ってしまった。ステーキの焼き加減はミディアムレアに近い。他の一品料理はアスパラ、ほうれん草、ポテトに金時豆、ほかにも色々、少しずつ入っている。どれを食べても美味しいし、見ても楽しめる。
そうして、私と光莉は食べ終わり、光莉はベッドに仰向けに倒れてお腹を摩って、
「余は満足じゃあっ」
と偉そう。でも満足そうな顔でニヤニヤしっぱなしだ。私もお腹を摩って、
「ご馳走様でした。かなり満腹!!運動したいわ」
と言うと、光莉も「分かるぅ!」と言って顔をあげて、私たちは笑い合っていると、そこにドアがノックされて咲也くんがやってきた。
「あ、食べ終わった?ステーキ御膳見たかったなぁ。いいなぁ」
「あ、写メ撮ったから送るわよ、咲也くん」
「お義母さん、サンキュー!」
スーツ姿も咲也くんは、ニコッと笑ってネクタイを緩めながら光莉のベッドに歩み寄り、光莉の顔を上から覗き込んでいる。
「食べてすぐ寝ると……」
「豚になるんだっけ?牛になるんだっけ」
「いや。どっちも違うかも。太るってだけ」
咲也くんは目を細めて微笑みながら言うと、光莉は「いいもーん」と言って笑っている。
最初のコメントを投稿しよう!