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部活の試合の日、
いつもたくさん作って持たせてくれた
あの大きな 大きな握り飯。
不恰好で海苔の巻かれていない、
塩味だけの 大きな 大きな握り飯。
カッコ悪くて大嫌いだった。
けれど、いつでも早起きして
曲がった腰を直しながら、
たくさん作って持たせてくれた握り飯。
友だちが遊びに来た時にも、
いつでも笑顔でたくさん作ってくれた。
思えば…いつも一緒に居てくれた
あの不恰好で海苔の巻かれていない握り飯。
試合で負けた日、
泣きながらみんなでかじりついた。
勝った日には、みんなと笑顔で頬張った。
夏休み、
縁側で夢を語り合いながら、みんなで食べた握り飯。
そして
まだ幼い日には、畑の隅で
祖母の仕事が終わるのを待ちながらひとり食べたあの握り飯。
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