「君たちが藪から坊主君か。勢いもあるし、この調子で頑張ってくれや。期待しとるで」

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 そう言う意味では、僕ら藪から坊主も若手時代に準優勝や優秀賞(優秀賞ではない)、キング・オブ・マンザイ5位(決勝ラウンドには行ったが、ファイナルラウンドには行ってない)等の賞歴が今に繋がっているんだろうな、とも思った。 「ただ誤解を招く言い方かもしれないですけど、プロの編集者がボツにした作品を個人的にネットに投稿したら人気が出たケースもありますし、有名な話では『神撃の狂人』は(週刊少年)クロス(修英社)に持ち込んだらボツで、他誌に持ち込んだら採用されたケースもあるそうなんですよ」 「あ、佐藤さん、その話、僕も聞いた事がありますね。雑誌との相性も有りますもんね」「そうなんだよね」  漫画通ではかなり有名な話らしい。他にも逃がした魚は大きい話は少なからず存在する。 「他にネット投稿小説関連で聞いた話だと、『小説になりたい!』ではちょっと書いて人気が出なかったら直ぐに次の作品を書いて、人気が出るまで続けるような話を聞くね。プロと違って一旦動いたら止められないような人よりも『あ、ダメだな』って感じたら、『はい、次』って切り換えられる人が向くような話を聞くよ」 「それは漫画の同人作家もそうやけど、二次創作系の作家は『売る為に人気のある作品』を選ぶ人が多いらしいわ。創作系作家もいますが、固定のファンが多いんは本当に限られた極一部の人だけですわ」  不勉強だったとは言え畑野も知らなかったような話がポンポン飛び出してくる。迂闊に手を出してはいけない分野だと言うのを思い知らされたに違いない。
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