「君たちが藪から坊主君か。勢いもあるし、この調子で頑張ってくれや。期待しとるで」

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「俺はそう言う“すかし漫才”やのうて“すかし恋愛”みたいんなのもアリやと思うけどなあ」 「あ、さけますさん僕、ちょっとそっちのネット投稿小説の事、詳しい話聞いた事あるんですけど(話しても)良いですか?」「なんや、言うてみぃ」  佐藤さんは書籍にも通じている読書家で、一線級で活躍するだけあって詳しい事情を知っているようだ。 「ネット投稿小説と言うのは(雑誌の)編集さんとか(プロ)から言わせると、漫画で言う『コミケ』(コミックマーケット)とかと同じで同人誌みたいな位置付けだと思ってるみたいだよ」 「あれ? ネット投稿小説原作の作品が漫画化(コミカライズ)やアニメ化とかしてへんか?」  漫画やアニメに詳しい砂山兄さんが引っ掛かったようだ。 「あれは同人作家がプロデビューするぐらい稀な話で、実際投稿している人は玉石混淆(ぎょくせきこんこう)でピンからキリの落差が激しいらしいんですよ。プロの編集者から言わせるとプロの目も通ってないから相当な人気が出ないとコミカライズすら難しいんだって」  後で調べたらE☆(イースター)だと本棚登録(動画配信者で言うチャンネル登録者)が500人以上ないと「人気が無い」と判断されるらしい。 「中には十年以上同じ作品を延々と書いている人も居ますが、それがコミカライズやアニメ化されるか? と言うとそうでも無いらしいよ。『作品賞に投稿する為に実力を付ける場所』であって、僕らお笑い芸人と同じで『賞レースで何か(賞を)獲った方が良い』と言うのは小説家でも同じみたいだよ」「をー…そうなんやな〜」
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