「君たちが藪から坊主君か。勢いもあるし、この調子で頑張ってくれや。期待しとるで」

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☆  休憩中の時間、畑野は佐藤さんや砂山兄さんに作家としてのアドバイスを求めるようにしていた。 「砂山兄さん、俺にどこでもええですからええ出版社紹介してくれへんか?」 「出版社を紹介してもええけど、さっきも言うたけどどこも厳しい現状や。なんの実績もない畑野を育てる余裕なんか無いで」 「そうそうそれは僕も同感で、やっぱさ、直木賞とかさ芥川賞とかさ何でも良いけど実績がある作家さんに(仕事を)依頼するもんなんだよ。実績作りさえしてしまえば向こうからオファーしてくる感じなんだよな」  実績のある作家さんは○年先まで仕事の予定で埋まっている、と言う話を聞かないまでもない。 「今の時代はステルスマーケット(ステマ)とかあってアレやけど、誰か著名な方とコラボしたりするのも悪ないな。自分は喋ってるだけで文字起こしを誰かに頼んだりしてな」 「ははは(笑)僕は相方とトークを文字起こしした(漫画雑誌の)連載とか昔有ったよ。収録じゃないけど撮れ高が少ないと『追加でトークお願いします』って言われた事が何度かあったよ」  僕もその連載を読んだ事があるが、ニページの内容なのに苦労もあったようだ。当時はまだタイタンズの人気は今以上に有ったはずなのでスケジュール調整が大変な時だったと想像出来る。
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