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一応準備はしたものの、それはこちらから言うべきなのか?
次から次へと疑問が湧き出てきて落ち着かない。いてもたってもいられなくなり、立ち上がった瞬間、ボクサーショーツ姿の狗丸が部屋に入ってきた。
「なにやってんの?」
きょとんとする狗丸に、高速で首を振る。
「いや、べつに、そのっ」
「緊張しすぎ」
狗丸はふっと笑って拓真の近くに寄ると、拓真をやさしくベッドへ押し倒した。上から見下ろしてくる半裸の身体は鍛え上がったおかげで引き締まり、薄っぺらな自分の身体と違い、筋肉の凹凸がきれいに出ていた。
熱が沸騰したように顔が熱くなる。わけがわからないまま、声を出す。
「あの、狗丸さん、俺……、初めてで……」
「うん、知ってるよ」
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