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 見合いが終わって、酒を呷りながら一晩中悩んだ。明け方、死ぬまでに一度くらい自分の好みの男性と自分が憧れるプレイをしてみたいと、強い衝動が湧いた。勢いのままAmberに登録して、そこでマッチングしたのがショウだった。  ショウの顔写真は目元を隠すよう帽子を目深に被っていたが、それでも形の良い鼻と口角の引き上がった大きな口元は、整った顔立ちを想像させた。  プロフィール欄にはジムでトレーニングしている写真も載っていた。体型維持をメインとしているため、筋肉が飛び抜けて発達しているわけではなかったが、むしろそちらの方が好みだった。  この二週間、毎晩ショウと他愛もない会話を続けた。年齢はショウが七歳年上だったものの、サッカーとお笑い好きということが共通して話が途切れることはなかった。偶然の出会いだったが、一生に一度の思い出作りには最高の相手だった。
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