願いごと、ひとつ

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私の足は、少々変わっている。 足の甲が高く、かかとが小さく、サイズは小さめの22.5cm。 パンプスを履いて階段を上ると、下の段にパンプスだけ置いてきてしまうくらいには、かかとの出っ張りが足らない。 足の甲をベルトなどでしっかり留める必要があるが、甲が高すぎてベルトはパツパツになりがちだ。 そんなわけで、靴を選ぶのも一苦労なのだが、もっと困るのは靴下だ。 かかとが小さいからか、足が小さいからか、履いているうちに靴下のかかと部分がくるくると回り、大抵は靴下のかかと部分は甲まで来ている。そのまま放置していても、一回転してかかとに合うということはない。 靴下専門店で相談し、足にフィットしやすいリブタイプのものを購入するようにしたら、少し長持ちするようにはなったが、それでも使い込むと回転し始めてしまう。 靴下が回転すると、とても歩きづらく躓きそうにもなる。 両手に洗濯物を抱えながら、頭も抱えるし、 ビニール手袋をはめて洗い物をしながら、キッチンを歩くとまた靴下が回転して甲とかかと部分がこんにちは。 またかーと独り言を言いながら、手袋を脱いで靴下を整える。 靴を履いていても、回転することも多いので油断ならない。 たったそれだけのことだけど、一日に何度もとなると億劫だし、 靴下が回転したまま歩くからか、靴下に穴があくことが多い。 足の底部と脚部のちょうどつなぎ目に、ぽっかりと穴。 穴というものは、つま先にあくものだと思っていたが、私の場合はつなぎ目のくるぶし辺りに丸い穴が、あの靴下にもこの靴下にも。 目立つところなので穴に気づかず出かけると恥ずかしいし、不経済だし、お気に入りもすぐにだめになるから悲しい。 大多数の人と同じような足の形だったら、こんなことで悩まずにすんだのかもしれない。 普通はつまらないとも思うこともあるが、足の形は普通がよかった。 些細なお願い専門の神様に出会えたなら、普通の足の形にしてください、とお願いしたい。 些細なお願いなどというと、神様に叱られるかな。 些細に見えて、地味にじわじわ辛い毎日の悩みだから。
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