5人が本棚に入れています
本棚に追加
そのとき、壁面が再び自動ドアのように開き、怜音が転がるように飛び込んでくる。
宇宙人に飛びかかり、首に一撃、手刀を食らわせた。彼はあっけなく床に転がる。
「逃げるぞ、律!」
怜音に手を取られてドームの壁面に向かい走り出す。ぶつかる!と目を閉じかけたときにぽっかり壁に穴が開き、私たちは部屋の外に脱出できた。
暗がりに二人で身を隠す。静かすぎて、耳鳴りがする。
「よく聞いて、律」
怜音は私を抱きしめると言った。
「計画はもう走り出している。止めるには、僕がこの身を投げ出すしかない」
「…何を言ってるの、怜音…?」
彼は愛おしそうに私に口づける。
「最後に、見て欲しい。本当の僕の姿を」
最初のコメントを投稿しよう!