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「愛しい律。僕は君の記憶を消していくよ。でも一つだけ痕跡を残させてくれ」
ふふ、と笑って言った。
「君はウサギを好きになるよ。きっと、理由は忘れてしまうけどね。僕に似た白いウサギを飼って。どうか、僕だと思って可愛がってほしい」
「いやっ! お願い!! いかないで…!!」
私は泣き叫んだ。声は出せるが、身体はぴくりとも動かない。
怜音はまばゆい光の中へ消えて行く。静けさの中、キーンと強い耳鳴りがした。
そして私は再び意識を失い…
………………
………
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