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そのとき、怜音がシャワーを終えて部屋に戻ってきた。
私はベッドから飛び出すと、怜音の後ろに隠れる。次の瞬間、身体に何も身に着けていなかったことに気づいて「きゃっ!」と声を上げる。
「お前…T3402か…?」
私は怜音の言葉に驚愕して彼を見上げる。
「コードネームで呼ぶとは、他人行儀ですね」
宇宙人が少し眉をひそめて笑う。
「なに…二人…知り合い? 知り合いっていうのはヘン…? もうっ冗談キツイよ。ねえこれって夢だよね? 夢って言って…」
怜音は私の言葉に答えず、宇宙人を睨みつけている。
「どういうことだ。地上でビジョンを投影するなんて、規則違反だろう」
ビジョン…?
「規則違反で言うなら君のほうでしょう。これまでDR1206-SSと我々との通信を妨害してきたのはわかっているんですよ」
怜音は私を見つめると言う。
「ごめん…律。しばらくこいつと二人にしてくれないか」
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