Lesson.5

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「ということはやめちゃうのかなぁ。タダで多希くんのご飯食べられるんだからな」 「やめないそうですよ。もしかしたら、仕事が忙しいから週一に変更するかもしれませんが。……そのことについては、すみません」 貴重な週二回通いの生徒を減らすことについては、申し訳なく思う。 三好は軽く「別にそれはいいけどさ」と、紙片をひらひらとさせながら言った。 「多希くんが退職しないでくれてよかったよー! それだけが気がかりだった!」 「……はい?」 「だって久住くん大企業勤めだし、多希くん一人養うくらいさぁ……」 「辞めませんよ。そんな簡単に。何でそんなに久住さんのこと知ってるんですか。仲いいんですか、久住さんと」 勘繰る多希に、三好は「申込書に書いてもらってるからね」と種明かしをする。 裏でこそこそと多希のことを聞いていたり、久住に余計なことを吹き込んだものと思っていたから、勘違いに多希は顔を赤くした。 ……────。 会社での手続きも無事終わり、週末は久住が荷物運びを手伝ってくれる。 引っ越しといっても家電はほとんど処分してしまうため、持っていくものは少ない。 何回かに分けて、久住の借りたレンタカーに詰め込んだ。
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