Lesson.5

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「休日にすみません。車まで。ありがとうございました」 「暇してたので大丈夫ですよ」 今日から久住と一緒の家に帰り、同棲がスタートするのだ。 多希の心は浮かれていた。 久住の告白に了承したその日に、同棲の話は何となく出ていたのだが、多希のほうが踏ん切りがつかずにいた。 一緒に住むというのは、それなりに覚悟がいることだと思う。心理的にも労力的にも。 週末通いの回数を重ねる度に、その話題を出されるものだから、多希はついに絆されてしまった。 「せっかくだから、うちに荷物を置いたらそのままデートに行きませんか」 「デート……」 「多希さんの食器とかタオルとか。消耗品はたくさんあってもいいと思うので、買いに行きましょう」 多希は久住の提案に頷いた。 荷物を運び終えたらちょうど昼時で、ショッピングモールは混み合っていた。 店で腹ごしらえをした後、二人は日用品雑貨の揃う店舗を見て回った。 グラタン皿やサラダボウルなど、久住の家になかったものを中心に購入していく。 「お茶碗とお箸、あとコップも。お揃いにしたくないですか?」 「そんなに買って……今使ってるものもあるのに」 「多希さんと一緒に住むから、俺はお揃いにしたいです」
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