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入会を勧めて、余計に症状が悪くなったらどうしようかと身構えたが、主治医がついているなら大丈夫そうだ。
多希はファイルを開き、料金表を指差す。
「うちの生徒さんは週一のコースでお申し込みされている方が多いです。月四回でお月謝は二万円になりますね。月八回──週二回のコースもございます。キャンセルでの振替えもできますが、その場合は最大でも週三回までとなります」
「週二回のコースでお願いします」
久住は即決する。週一から週二回へ切り替える生徒は何人か見てきたが、初回で申し込まれたのは初めてだ。
三好も笑顔になるに違いない。
講師に対して厳しいノルマはないものの、生徒獲得に消極的ならば三好の叱咤激励が飛んでくる。
しばらくは胃を痛めずに済みそうだ。
「今日は体験講義ということで、お月謝は来月からいただきますね。週二回のコースですと、一回分の料金を引かせていただきますので、月三万五千円になります。……よろしいでしょうか?」
「はい。そちらで大丈夫です」
またもや即決だった。多希が指示する場所に、久住が氏名を記入していき、契約が完了する。
久しぶりの新規生徒獲得に多希は気合を入れて臨んだのだが、あっさりと……しかも、一番高いコースへ入会するというので、正直拍子抜けしてしまった。
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