Lesson.2

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久しぶりの男生徒ということもあり、三日に一度は久住の名前が話題に上がる。 体験入会の講師を務めたのは多希だが、入会後は一人の講師だけしか選べないという縛りはない。 久住が来るのは、平日の夜七時以降と土日のどちらかだ。 正社員の多希は夜のシフトに入ることが多く、ここ一か月はありがたいことに多希を指名してくれている。 「気になってるなら付き合っちゃえよ」 また心臓に悪い冗談を言う。 「付き合いませんよ。というか、向こうにはお相手がいると思いますよ。久住さんに失礼です」 「お相手って、実際聞いて確かめたわけじゃないんだろ?」 「まあ……本当のところは分かりませんけど。生徒に手を出すのはちょっと。噂になったりしたら、社長の店潰しかねませんから」 ──絶対にノーマルだろ。あの人。 学生時代、ゲイバーでアルバイトをしていた多希には何となく分かる。 「そりゃあ、多希くんの生徒さんは人妻が多いから、それに手を出すのは人としてどうかと思うけど。久住くん相手なら別に犯罪でも何でもないだろ。今度会ったら付き合ってる人いるか聞いといてやるよ」 「人妻って、言い方……。久住さん、真面目だからあんまりそういうこと聞いたら嫌がりますよ」
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