Lesson.4

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……────。 『ほとんどが嫉妬で、ちょっとは下心です。すみません』 多希の脳裏には、心底申し訳無さそうに。 けれど、ほんの少しだけ目元を緩めた男の顔が焼きついている。 あれからちょうど一週間。久住は変わらず生徒として、料理教室に通っている。 ──嫉妬と下心、か。 それは多希の都合のいいように、言葉通りに解釈してもいいのだろうか。 「付き合ってほしい」と多希に尻尾を振って迫っていた男は、あの一件以来、何のアクションもなくなった。 知らなかったにせよ、既婚者と付き合っていたなどという汚点は、彼の気持ちに水を差すようなものだったのだろう。 久住を巻き込んでしまったことを後悔している。 「お疲れー。多希くん。あれ、本当にお疲れ?」 「……え、ああ。お疲れさまです」 事務所の鍵をじゃら……と手の内で鳴らした三好が、目の下を指差す。 いつの間にか、多希は同僚達全員を「お疲れさま」と見送った後で、講師室は三好と二人きりだった。 まだ仕事は残っているが、多希はパソコンの電源を落とした。 「すみません。もうこんな時間になってるなんて」 「いや、いいけど……いーや、やっぱりよくないなぁ。今日飲みに行こう」 「え、今からですか?」
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