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久住の息がかかり、待ち望んでいた刺激を前に、多希はシーツをぎゅっと掴んだ。
「先生の先っぽ、ピンク色で可愛い」
「も……そういうこと、言わなくていいです……っ」
うっとりした声で感想を呟かれ、多希は思わず頭上にあった枕を久住目掛けて投げつけた。
顔面でそれを受け止めた久住は、何故か口の端を上げている。
「先生からのお願いが聞きたいです」
「さ、さっき。言いました、けど」
「もっと可愛くお願いしてくれたら、たくさん舐めてあげます」
先に舐めさせてくださいね、なんて言ってきたのは久住のほうだ。
なのに、何故か主導権は多希から久住に渡っている。
いやらしい言葉を紡ぐのを躊躇ったのはほんの瞬間だった。
玄関先からもうずっとこの状態なのだ。
風呂場でも達することはできなくて、頭の中が茹だるようだった。
「……なめて、ください」
両足を広げ、中心を昂らせながら多希は消え入りそうな声を発した。
とてつもない羞恥が襲ってきて、多希は上掛けを手繰り寄せ、火照った頬に押しつけた。
ただ性欲を発散させていた頃は、相手も自分も口淫は進んでしなかった。
するのもさせるのも、以前のように割り切ったドライな関係を求めるだけだったなら躊躇しただろう。
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