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手で与えられるよりもダイレクトな刺激に、多希の腰は戦慄く。
「や……そんな。吐き出して……ください。だすつもりじゃ……なかった」
息切れした多希がそう伝えるとっくの前に、久住の張った喉が動くのが見えた。
舌で自分の上唇をなぞる仕草が色っぽくて、多希の顔は熱くなる。
「ここも張っていて苦しそうでしたから。先生は綺麗なのにいやらしくて素敵です」
久住は手の内で垂れ下がった陰嚢を弄ぶ。
久住は先走りが伝ったところまで舌で綺麗にしてしまう。
ここまで丁寧に奉仕をされたことは初めてで、心の奥の忘れたはずの気持ちが上擦る。
「由衣濱先生……?」
「え、なんですか?」
呼びかける久住の声が動揺に満ちていて、多希は思わずどうしたのかと聞き返した。
顔を上げた久住がこちらを凝り固まった表情で見つめている。
「俺、何か粗相をしたでしょうか……? 至らない点がありましたか?」
「へっ? いえなにも……」
「先生……泣いているから」
指摘されて、頬が濡れていることに気付いた。
天井の薄い明かりを遮るように、久住の大きな身体が覆い被さってきて、多希を心底心配そうに覗き込んでいる。
「すみません……。何だか、気持ちがいっぱいになってしまって」
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