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いい大人なのに恥ずかしい。
久住の真摯な気持ちにようやく向き合うことができ、堰き止めていたものが溢れてしまう。
久住の身体が重なり、そのまま強く抱き締められる。
ますます視界は靄がかかったようになった。
「先生。好きです」
初めての告白のときから変わらない、同じトーンの久住の声。
聞いていなかったわけじゃない。久住の言葉はずっと記憶と心の奥に残り続けていた。
同じ気持ちだと返そうとして、唇が震えて上手く言葉にならない。
久住はそれでもいいと言わんばかりに抱擁を強くした。
久住の肌とくっついているところが、熱を持っている。
「擦れただけで感じましたか」
「ん……あ。じらさないで……」
「前にも思ったんですけれど、先生って全身が性感帯ですよね」
「そんなわけないです」
じゃあ、と久住は多希の虚勢を崩すように、胸へと顔を寄せた。
鮮やかに色づいた芽に、久住は微弱な刺激を与えていく。指先と舌で。
「あ……っ。あ、あぁ、ん……」
最初のうちは優しく、蕩けるような甘い快楽を生んでいたそこは、徐々に物足りなくなる。
被虐心を煽るように、久住に軽く歯を立てられ、多希の背はシーツの上でしなる。
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