御坂粋は阿呆で純粋です。二  寿・現在(二十六)

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「確かめてみれば?」  寿は立ち上がると、粋の脚に跨がった。ナイトウェアの下は素肌だ。一つ一つボタンを外した。 「私が処女かどうか、自分で試してみればいいんじゃん」  腹の辺りまでボタンを外すと、粋に口づけた。  こんな、売り言葉に買い言葉で処女を損失するのは本意ではなかった。もっとロマンチックに、粋の愛情を全身で感じて、幸せな時間になるはずだったのに。  冷静ではなかった。欲望と苛立ちが綯い交ぜになって、全部裏目に出ているようだ。  曝け出した胸を粋の顔に近付けた。  吐く息の掛かる距離に粋の口がある。  赤い舌先が左胸の先端に触れた。右胸には粋の大きな手が沈み込んでいた。 「ふぅ……ん……」  鼻から自分でも初めて聞く甘い声が漏れた。  こんな快感は初めてだった。舌で触れられるたびに、腹の奥が切なく疼く。唇で吸われるたびに、体中に甘い刺激が抜けた。  舐めながら、粋の体が後ろに倒れた。嬌声が我慢できない。体に力も入らなくなってきた。
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