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「寿……?」
ショーツの中に入りかけていた指が止まった。
「嫌? 怖い?」
困ったように眉尻を下げた粋の顔が上にあった。
見上げると、骨張った指が寿の睫毛に触れた。湿った感覚で、泣いていたことに気が付いた。
「大丈夫。嫌じゃないし怖くないから、やめないで」
厄介な本心を腹の底に飲み込んだ。この時間を失いたくなかった。
心配そうな顔のまま、粋は寿の鼻先にキスを落とした。寿はせがむように顎を上げた。角度を変えてキスが深くなっていく。
指がショーツの中に入り、そこに触れた。
誰にも触れられたことがないそこに粋の指が触れた時、体が僅かに跳ねた。その刺激は、乳房の先端など、比ではなかった。
「濡れてるよ」
わざわざ口に出す必要はないのにと思った。でも、言葉にされると胸の中はもっと甘く疼くから、不思議だ。
粋が上から見ていた。急に恥ずかしくなり、腕で顔を隠したら、すぐにどかされた。
「痛い?」
痛くはない。気持ち良すぎて、どうにかなりそうだった。
「……見ないで」
荒い呼吸の途中でなんとか言葉にした。
「恥ずかしいから……見ないで」
粋が顔を下げて、淡い桃色に腫れた先端を口に含んだ。
「やだ……ダメ、粋……」
二箇所同時に刺激されて、頭の中が真っ白になってきた。今まで感じたことのない何かが、子宮の奥から迫り上がってくる。
「粋……怖い、やだぁ……」
喘ぎながらなんとかそれを口にしたが、行為は止まなかった。粋の指が激しく動く。寿は、下半身に力が入っていくのが分かったがどうにもできなかった。
大きな声が出そうで、唇を噛んだ。瞬間、大きな波が押し寄せ、寿は生まれて初めて達した。
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