離れる、離れない、離れたくないない  現在(二十六)

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「訊いてもいい? でかいよね、胸。サイズって?」 「……F、だけど」 「すごいね、マシュマロみたいだ。ふわふわだよ」  粋の大きな手が、力を入れずに両乳房を揉んだ。指に乳首が触れた。さっき自分では感じなかった快感が、体を抜ける。 「……粋は、おっぱい好きなの?」 「うん。気持ちいい。寿は触られるの嫌?」  嫌かどうかと言われれば、気持ち良いに決まっている。答えに迷っているうちに後ろに倒された。 「ねえ、どこが気持ちいい? ここは?」  指先で先端をそっと引っ掻いた。 「……ん、いや……分かんない……」 「駄目だ、ちゃんと教えて。舐めたらもっと気持ちいい?」  そんなの言えるわけがない。首を横に振っているうちに、口に含まれた。転がすように舌で嬲られる。  嬌声が漏れそうで、歯を食いしばった。 「口を閉じるな、開けて。ほら」  粋の指が唇をこじ開けて寿の舌に触れた。途端に甘い声が漏れた。 「舐めて、指」 「ぁあ……粋のばかぁ……うぅん……」  粋の指を舐めるだけで、すごく感じた。それを粋は黙って見ている。視姦されているようで、どんどんと体の中の欲情が高まっていった。  口に入っていた指が寿のショーツを脱がした。手慣れていると感心する前に、昨日も触られた敏感な部分に、二本の指で触れてきた。 「めちゃ濡れてる。大丈夫かな、指、入れるよ」  そっと少し触れただけで感じる部分を何往復かした後、ゆっくりと指が入ってきた。自分の体の中に、粋の指が入ってきている。羞恥と興奮でおかしくなりそうだった。 「すごいキツい。大丈夫? 痛くない?」  痛くなかった。ただただ、気持ち良かった。初めてでこんなに気持ちが良くて、自分は淫乱な女なのではと思ったが、そんなのもどうでもいいほど、気持ち良かった。 「ぁ、あぁ……ん……粋……」  粋が指を動かした。今まで一度も感じたことなのない感覚と、耳に届く水音で、何も考えられなくなりそうで怖かった。
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