離れる、離れない、離れたくないない  現在(二十六)

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「す……ん、粋、待って。お願い……。粋も、粋も脱いで。粋の、見せて」  寿は腕を伸ばすと粋の股間に触れた。指の動きが止まった。止め処なく与えられていた快感がやっと止んだ。  荒い呼吸で胸が大きく上下していた。  まじまじと粋を見上げた。雑誌で見たよりも、本物のほうが断然セクシーだ。乾燥したのか、唇を舌で舐めた。それだけでも、体が疼いた。  体を起こすと、寿はキスをねだるように首を伸ばした。すぐに抱き締められて、深く甘く淫らなキスが寿を支配した。  ずっと、こうしてほしかった。映画のように、ロマンティックでエロティックに、大好きな人に全身で愛されたかった。  つい数時間前には、あんなにヒステリックに泣き叫んでいたのに、同じ声帯を通して、今は甘い声が漏れている。  瞼を上げれば粋がいる。粋の指先に舌に、感じて悶える寿をじっと見ている。 「……脱いでくれないの?」 「寿は、今まで見たことある? これ」  粋は寿の手を取ると、下着の上から触らせた。見たことなんてあるわけがない。寿は、思いきり首を横に振った。 「見たら、怖くなるかも。それでも見る?」 「見たい。粋の全部を知りたいの」  寿に背中を向けると、粋は下着を脱いだ。腰から臀部にかけて、盛り上がる筋肉がとてもエロティックだった。
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