ミシェル 寿・現在

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 都内の高級ホテルのスウィートルームで、ミシェルは待っていた。 「"ハイ、コトブキ!"」  ミシェルは小柄だ。寿よりもだいぶ低い。でも、作る服はダイナミックでとても情熱的だった。  ミシェルとの会話は基本的に英語だった。 「"ミシェル! 久しぶりね、元気だった?"」 「"元気よ、元気! あなたのために持ってきたのよ。すぐに着てみて"」  トルソーに掛けられていたのは、真っ白いサテンのような生地のドレスだった。挨拶もそこそこに、ドレスと一緒にミシェルに寝室に連れて行かれた。 「"ほら脱いで。私が着せるわ"」  言われるがまま、服を脱ぎブラジャーを外し、ショーツ一枚になった。大きな姿見の前に立たされた。 「"本当に綺麗ね、コトブキは。でも、あなた、少女から女になったのね。相手は、ミスターミサカ? 悔しいわ、あなたを女にしたのが私じゃなくて"」  ミシェルの指が肩をなぞり、乳房の膨らみに触れた。 「"冗談はやめて、ミシェル"」 「"本気よ。私はゲイじゃないの、バイなの。知らなかった?"」  乳房を撫でる指先が、その先端を掠めた。
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