1795人が本棚に入れています
本棚に追加
/381ページ
久しぶりのマンションに戻ってきたのは、夜だった。エステで爆睡したのにまだ眠い。
シャワーを浴びて、グリーンスムージーを作った。ソファに座って、やっと一息付けた。
粋から、何も連絡は来ていなかった。さすがの粋も、クタクタで爆睡しているのかもしれない。
寿は、写真アプリを開いた。
この間、空にしたアプリの中には、七枚の写真が並んでした。
一枚目は、高校一年生の文化祭でイケメン執事に扮した寿を冷やかしに来たサッカー部連中と、一緒に撮った写真だ。
二枚目は、全国大会優勝の時の写真。
三枚目は、卒業式にサッカー部で撮った写真。
四枚目は、初めてのデートで行ったディズニーランドで、みんなで撮った写真。
五枚目は、ユナイテッドのユニフォームの粋と与井と三人で撮った写真。
六枚目は、寿の留学前に、海で二人で撮った写真。
七枚目は、今朝、粋の部屋で二人で撮った写真だ。
粋のスマホには、たくさんの寿との写真が収められていた。たくさんあるのに、やっぱり二人で撮った写真は、海の写真しかなかった。
今朝撮った写真の粋は、無精ひげが生えていて髪もボサボサだ。寿だって、すっぴんで肌はカサカサしている。
でも、すごくいい笑顔で写っていると思った。
幸せだ。嬉しくて大好きで幸せで。
この後の別れを考えたくなかった。
ミシェルとのエクスクルーシブ契約の答えも出ていない。
最初のコメントを投稿しよう!