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「これはさ、グループLINEから派生して、個人的に来てるんだよね? 粋は阿呆だから、一個一個に返信してるけど、開かないでほっといてもいいと思うよ。私ならそうする」
鼻の奥に少しずつ痛みが出てきた。アルコールのせいもあるのだろう。腹の底から不安や心配や悲しみが込み上げてきた。
「粋が他の女に触られるのが嫌だって、私はこの間言ったけど、本当は他の女と話すのも嫌。粋のプライベートの時間に私の知らない女とメッセージのやり取りしてるのも嫌!」
涙が零れそうで、慌てて腕で拭った。
言いすぎたかもしれない。すごく束縛が強くて嫉妬深い女みたいで恥ずかしかった。
「……そんなに御坂先輩、駄目かな?」
間に割って入ってきたのは、山原だった。
「うおっ! お前は御坂派か!」
「御坂派っつうか、何か、百パー御坂先輩が悪いとは思えないっつうか」
「あ、俺も。芹沢には悪いんだけど、俺もそう思う。いや、こいつは本当に阿呆だけど、悪いやつではないっていうかさ」
里中までも御坂派に寝返った。
テーブルの下、粋の手が寿の手を握った。驚いて粋を見ると、眉間に皺を寄せて寿を見ていた。
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