公開裁判 寿・現在

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「下心があるっていっても、機会があるならぐらいなんで、がっつり浮気しようと思ってるわけでもないですが、それでも、細心の注意は、一応払いますね。見付からないように、都度削除するか非表示にするかしますね」  周りから歓声が上がった。歓声の意味が全く分からない。寿は久保や尾崎を睨んだが、目を逸らされた。 「まあそれが一般的な答えなのかもしれない。お前たちと御坂の明らかな違いが分かるか? どうだ、里中」  里中が青い顔のまま首を横に振った。 「そもそも、お前たちは争点を間違えている。御坂が浮気をしない、そして悪いやつではない、この前提の元に俺たちは話しているんだ。分かるか?」  山原も里中も、壊れた人形みたいに、首を縦に何度も振った。 「御坂に聞こう。いいか、正直に答えろ。バレないなら浮気をしようと思うか」 「……思わねえ」 「おい、今、間があったぞ。本心か? 芹沢がいるから思わねえとか言ってんだろう」  里中の突っ込みに粋は首を傾げた。 「お前、巨乳が好きだよな。どうする、理想の形・大きさの女が裸で擦り寄ってきたら。それでも我慢できるか?」  広瀬が意地悪な質問を投げかけた。  粋が巨乳好きだと、初めて知った。言われてみれば、この間初めて抱かれた時、やたら胸ばかり触られた気がする。
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