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「驚かせたかった」
「粋は、サプライズとかしなくていいから」
少し上にある、奥二重で切れ長の目を睨んだ。伏し目になった上瞼から、長い睫毛がたくさん見えた。
「うん。ごめん……」
「……会いたかった。すごく会いたくて、ずっと粋のニュース見てた」
少し髭の伸びた顎に唇で触れた。チクチクする。すぐに粋の首が傾いて、キスをした。
触れて離れた。寿の鼻先に鼻先を擦り合わせて、粋が寿を見ていた。
「……シャワーを浴びてきていい?」
「駄目。もっと、キスして」
粋の唇がまた触れた。寿の上唇を食むようにして、優しいキスを繰り返した。
柔らかく温かい舌が淫らに絡まり合った。
水音を立てて離れるまで、呼吸を忘れるような深いキスは続いた。
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