REBECCA フレンズ

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 立ち上がるとリビングの電気をつけラジオのチャンネルと変えた。DJの陽気なトークに一気に空気が変わる。  次の休みに開催されるイベントについて楽しそうにPRしているのを聞きながらカレンダーを見た。週末は連休だった。  そんな事にも気がつかないで死んだように過ごしていた自分にハッとする。  いつだってそうだ。  誰かに何かをしてもらう事ばかり望んでいたわたし。自分から何かを起こしたこともなく、流されるままに生きてきた。  そんな自分じゃだめだと思った。  ちかちゃんのような素敵な子が好きだと言ってくれたわたしに誇りを持ちたい。  自分の中の何かが奮い立つ。  このままじゃダメだ、変わりたい、と。  いてもたってもいられず部屋の中をグルグルと歩いた。今すぐ何かをしなきゃという情熱がわたしを急かすように。    玄関のチャイムが鳴る。  時計を見ると夫の帰宅時間だった。  慌ててアルバムを戻し玄関に走った。 「お帰りなさい!」と飛びつくように口を開くと夫は一瞬驚いたように目を瞬かせた。 「ただいま、どうしたの急に元気だね」 「あのね、週末にイベントがあるんだって。一緒に行ってみない?」  誘うと夫は嬉しそうに笑って頷いた。 「いいね、君がそんなに楽しそうなのは久しぶりに見た」  夫にそんなことを言われるくらいわたしは腑抜けていたのか。そんな自分が情けなくもおかしくなってわたしはクスクスと笑い続けた。 「そうね、これからはたくさん楽しんで素敵な人になろうと思っていたところ」  いつかちかちゃんに会った時に恥ずかしくないわたしでいたいから。それくらい想ってもいいでしょう?  セピア色に染まった時間は立ち消えて、もうどこにもない。
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