REBECCA フレンズ

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 日が暮れるのが早くなった。  ベランダから見える空が赤く染まり、間もなく群青が落ちてくる。カラスが遠くで鳴いて下校途中の子供たちの楽しそうな笑い声が聞こえてくる。  今日もあっという間に一日が終わってしまう。  毎日ただ淡々と同じルーティンを繰り返すうちに50歳を超えてしまった。多分明日も同じ一日が続いて歳ばかりが重なっていく。  気がつけば笑うことも何かに心を動かされることもなくなった。洗濯物を畳みながらいつまでこの時間が続くのだろうと思うとぞっとした。  若い時に考えもしなかった無意味な人生。  子どもが小さかったうちはまだよかった。お母さんとしてやることがいっぱいあったから。でもお母さんが必要じゃなくなってからわたしの人生は意味を失った。  今更何をどうすればいいのかもわからない。  ふいにラジオから懐かしい曲が流れてきた。  ドラマティックなリズムと切なげなキーボード。そしてキャッチーな歌声が響きだす。  あ、と思って音量を上げる。 ―――口づけをかわした日は ママの顔さえも見れなかった  懐かしい。レベッカのフレンズだ。大好きだった曲。 NOKKOの歌声が一瞬でわたしを遠くに連れ去っていく。まだ夢は叶うと信じられて、毎日がワクワク楽しかったあの頃へ。 ―――ほらあれは二人のかくれが ひみつのメモリーoh  隠れ家……そうだわたしには隠れ家があったんだ。  遠い記憶が蓋を開ける。鮮やかによみがえる過去の日々。次々に目の前に現れる懐かしい光景にわたしは気持ちを差し出した。  わたしにはとても仲のいい友達がいた。  ちかちゃん。
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