傍にいてくれる人

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「ごちそうさまでした」 「はーい。いっぱい食べたねー」 白瀬が買ってきたものは、全て絵都の腹に消えた。 絵都は頭を撫でて来る白瀬の手を振り払った。 「腹減ってた」 「まったく。最後に食べたのいつー?」 「……昨日の朝。家を出る前」 「俺、夜勤だからご飯届けられないよって言ったよね? もー、相変わらずだなー」 白瀬は呆れたように絵都を見る。絵都は悪びれる様子もなく、「忘れてた」と答えた。 「はぁ、全く。ご飯食べないとイライラしちゃうよ?」 「……別にそう言う理由じゃない」 床のキャンバスを指さした白瀬に、今度は気まずそうに目を逸らした。 「はいはい。ねー、俺昨日寝てないんだよね。ちょっとベッド貸してくんない?」 「……。どうぞ」 場所を開けた絵都は、ごろんと寝転んだ白瀬に自分が被っていた毛布を掛けた。 白瀬はすぐさま寝息を立て始めた。 「……よし」 静かな部屋で、BGMとして白瀬の寝息を聞きながら、床に散らばったキャンバスを片付け始めた。 寝たふりをしていた白瀬は、そっと片目を開ける。落ち着いた様子でキャンバスを片付けている絵都の姿を見た。 もう大丈夫と確信した白瀬は、今度こそ眠りについた。
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