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時は流れ。
「用意……始め!!」
16才になったアルコルとミザルは、近衛隊の入隊試験に挑んでいた。
近衛隊は、軍のなかでも選りすぐりの精鋭のみが集まるエリート部隊。
厳しい入隊試験を通過した者だけが、近衛兵の称号を得ることが出来る。
もちろん王子であろうと、忖度は一切ない。
入団試験通過の条件は、総合成績5位以内に入ること。
座学では、アルコルが1位、ミザルが2位。
続く弓術ではミザルが1位、アルコルが2位。
誰がが総合成績トップになるかは、この最終試験の結果で決まる。
その内容は、試験者全員が一斉にスタートし、起伏の激しい森を走りぬけながら、ランダムに現れるターゲットを剣で倒していくというもの。
スタートからゴールまでのタイムと、斬撃の正確性の合算で順位が決まる。
アルコルはミザルの背中を追いながら、ターゲットを確実に斬りながら前へ進む。
剣術はまだしも、走力、持久力ともにミザルに敵わないのは、自分がいちばん良くわかっている。
故に、彼に勝つことではなく、試験の通過を第一目標に設定したのだ。
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