僕は超能力者になりたい

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 高校入学してすぐ、晴翔(はると)は自分が普通と違う事を思い知らされていた。超人ばかりのクラスメイトに馴染めず、昼休みは校庭で過ごすのが習慣化していた。あいにくの薄曇りだったが、遅咲きの桜が見頃だった。眺めていると額にべしゃりと何かが落ちて来た。鳥のフンかと慌てて拭くと、それは甘いクリームだった。 「ついてないな」  ため息混じりでベンチに腰を下ろすと、男の野太い悲鳴が聞こえた。邪な輩が防犯ネットにでも引っかかっているのかと辺りを見渡したが姿は見えなかった。 「そこの、助けてくれ」  今度ははっきりと聞こえた。 「どこですか?」 「木の上!」とやけくそ気味の声が返って来た。  学校の防衛上、全てが大木だ。 「どの辺りですか? 木の特徴を教えて下さい」  校庭で過ごす内に詳しくなった。 「体育館の前の木だ! 倉庫にある梯子を持って来てくれ! 用務員の小島には絶対に見つかるなよ」  備品の場所を知っているならば、上級生かもしれない。面倒な相手だと思ったが、無視をして目をつけられるのも困る。 「分かりました」
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