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「ぐっ……、何だ……?」
「あら、ちょうど呼ぼうと思っていたところよ。ご覧、これがあなたの新しい玩具、『老害』よ」
玩具……?
頭上から聞こえる荒い息遣いの方に顔を向ける。
ひいぃっ!
そこには目玉がこぼれ落ち、有り得ないほど大きく開かれた口からは長い舌が垂れ下がり、首と両腕と両足の付け根には糸で縫った痕がある化け物がいた。
「普段はハンドメイド作家をしているんだけど、いろんな人体を組み合わせて最高の作品に仕上げるのが私の表には出せない趣味なの。
ただ飾ってるだけじゃ味気ないから命を吹き込んでみたんだけど、……どうかしら?」
女は人差し指を自分の頬に添えながら首を傾げた。
どうかしらもこうかしらもないだろう!
只々気味が悪いだけだ!
ペチン。
何だ?頭に何やらおかしな感触が。
自分の頭頂部に怪物のチ◯コが乗せられたと分かった途端、吐きそうになる。
禿げた頭皮にペタリと貼り付いている。
「やめてくれ!気持ち悪い!」
「いいじゃないの。別に減るわけでもなし(笑)
自分の時だけ聞き入れてほしいだなんて、都合が良すぎじゃなくて?
心配しなくてもその子が毎日三食食べさせてくれるし、お風呂にも入れてくれるわ。
条件は、私の作品の玩具として死ぬまで一緒に過ごしてもらうだけ。
簡単でしょ。それに、」
まだ何かあるのか……。
未だチンマゲ状態の私は、力無く女を見上げた。
「私、あなたより歳上よ♡」
女は無邪気に笑った。
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