3人が本棚に入れています
本棚に追加
+
「孝三さん、今日は久し振りに夜から飲みに行かないかい?
行きつけのスナックの嬢に翁5のファンがいて、会いたいって言って聞かなくてね」
老人会が終わると、老人会仲間に声を掛けられた。
「スナックなんてもう何年も行ってないし、私は酒もほとんどやらないから気が進まないよ」
「たまにはいいじゃないか。
なっ?頼むよ!この通り!
嬢と約束した手前、『無理でした』なんて俺の面目が丸潰れだよ」
顔の前で両手を合わせて拝むように必死で懇願されると、無下に断ることも出来なかった。
+
その日の夜、私は老人会仲間とスナック『かんとりぃ磨亜夢』に来ていた。
翁5の構成員を誘ったが、夜8時には寝てしまうと言うので私だけが飲みに行くことになった。
「きゃ~!本物の孝三さんだぁ!
孝ちゃんって呼んでもいいですかぁ!?」
嬢達はおしぼりを渡したり、水割りを作ったり、煙草に火を着けたりしながら聞いてきた。
「いやぁ、どうぞお好きなように……」
数十年振りのスナックの雰囲気に気後れしてしまう。
最初のコメントを投稿しよう!