第一話

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100円で買えるんだ…必須アイテム。 何だか、臼井先輩に申し訳ない気もする。 いや、でも手に入れなければ! 急いで台所から部屋に戻り、財布を握りしめて 僕は近くのスーパーへ向かった。 その中にある百均の売り場へ行き、伊達メガネを探す。大して広くは無い売り場だから すぐに見付けた。 あった!と思わず声に出そうなのを堪えて 一番普通なタイプの伊達メガネを手にしてレジへ向かう。 会計を終えた帰り道、心がすごく軽くなった。 100円といえど さすが必須アイテムだ。 きっと 臼井先輩本人を目の前にしても 大丈夫!…だと思う。 ー翌日、早速 伊達メガネをして登校する。 「坂上、どした?メガネ」 磯辺が首を傾げている。 「あ、これは…」 まさか、臼井先輩を直視できないとか本当の事は言えない。ゲームし過ぎて視力が落ちたとか言えばいいかな? 「しかも伊達だろ?」 「なんで分かる?」 「分かるだろ?普通に」 「…落ち着くんだよ…メガネしてると」 今のいい訳は かなりいい感じだと思う。これからは これで行こう。 「坂上、メガネした事ないよな?今まで」 磯辺、それ以上は突っ込まないで!これだから小学校から一緒だと嫌なんだよ。
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