赤いマフラーが大学入学共通テスト前に私の味方になってくれた

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6  ここから先は後日談。  結局、私はギリギリのバスで無事に試験に間に合った。マフラーのお陰かどうかは分からないけれど、緊張することもなく、いつものように一問にあれこれ心配して悩むことなく、スラスラと問題が解けた。  後日、共通テストの結果は予想以上に良かった。そして……。  無事、希望の大学に進学し、私は今、児童福祉を学んでいる。赤いマフラーをくれた彼女の台詞が強く耳に残ったから。でも、それは彼女に言われたからではない。あの台詞を聞いた上で、自分自身がその分野を深く学びたいと思ったからだ。  福祉専攻に進むことに両親や予備校の先生はあれこれ言ってきた。「法学部や経済学部とかの方が就職では良い」だの何だの。でも、私はその意見を聞きつつも「私はこの進路で納得しているので」とピシャリと跳ね除けた。この選択に後悔はない。  あれから、赤いマフラーの女子高生には会えていない。今はどこで何をしているのだろうか。あの神社にちょくちょく様子を見に行っているが、彼女と出会うことはできなかった。    寒い時期が来ると、私はいつも赤いマフラーを首に巻く。そのマフラーを巻くと、まるで彼女に抱きしめられているかのように暖かかった。 (END)
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