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初めて本当に彼を抱いたのは、それから一ヶ月した夜中だった。
夕方ごろ、交換したきりの連絡先から、突然ふらっとただ一言
「行ってもいいですか」
と、愛想もへったくれもないメッセージが送られて来たから思わず笑ってしまった。無愛想なそれは、どこか気まずそうでもあって、可愛げがある。笑夜はちょっと面白がっていて、わざと返信を一時間遅らせてみることにした。
「すみません、やっぱ大丈夫です」
続けてそんな通知が来たところで、笑夜はようやく指を動かす。
「いいの? 僕はいつでも待つけど」
口元が、知らず微笑んでいた。面白い奴、可愛い奴。そんな新しい玩具を、すでに気に入り始めていた。
既読はついたのに返信が来ない。二分ほど待って、まぁいいかとスマホを手放した瞬間、スマホが震えた。
「行きます」
それだけ。それだけの返信に、二分待ったのが、馬鹿馬鹿しくてやけに面白かった。
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