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夢の中で最後に、空は私に言った。
『絢音は何も悪くないからね』と。
夢の中の私は何のことかわかっていなかったけど、今ならわかる。
空の優しさが溢れている。
出来ることなら、私もあの日にタイムリープして空を救いたい。そう何度思ったことか。
でも、それは叶わぬ夢の話。時間は巻き戻せないし、繰り返しもしない。
一定方向に進んでいくだけ。
辛いよ、悲しいよ、空。
なんでもういないのよ。もう一度会いたいよ。
唇を噛んで必死に涙を堪えた。
代わりに空を見上げる。上空はやっぱり青く澄んでいて、空らしいなと思った。
いつも明るくて、みんなを笑顔にさせていた空。
ありがとう。あなたはいつまでも私の親友だよ。
そう心の中で伝えながら、私は手を合わせた。
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