何故、浦島効果を知っていた?

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何故、浦島効果を知っていた?

 私の名は、浦島太郎左衛門頼々  (ウラシマタロウザエモンヨリヨリ)と言う。  何とも長い名前だが、これは幼名と言って。 矢鱈と先祖から、何やらかんやら名前を付ける風習による。私の先祖は、どうやら平家の落人で、今はその面影も無いが。 こんな辺鄙な辺境の片田舎の村で、漁師などを生業としている。  私は親父と二人暮しをしていた。 親父は凄い! 村でも有数の鰹の一本釣りの名人だ。  見た目は唯の年寄り、ちょっとロマンスグレーで、科学者風の物知りな理知的な顔をしているが、スケベである。女好きだ。だが、人から尊敬され褒め称えられる、(何を?) その姿は私には、とても眩しい。 (禿げてはいないが)  そんな私が朝から漁に出たが。全くの不漁で。しょうがなく釣竿を片手に、海岸をパトロールしていた時の話だ。  パトロールとは名ばかりで。実際は浜辺に打ち上げられた、魚や昆布を持って帰って食べるのだ。  親父が、お前も良い年だから独立しろ、と家を追い出され。一人暮らしをさせられているが。  本当のところ、自分がモテるもんだからと俺を家から追い出しやがった。  そりゃそうだ、親父に言い寄る町娘も、俺のような、若くてハンサムで格好良くて、細マッチョな浅黒く焼けた男に、目がゆくのは仕方のない事だ。  そんなんだから、お袋に三行半を突き付けられて、実家に帰られたりするのだ。  などと、私はボヤキながら浜辺を歩いていた。すると、前方で何やら若い衆と子供が騒いでいる。私は、なんだなんだと近寄った。 「おい!どうした」 と輪の中に入ると。その真ん中には、座り込み項垂れる、緑色の物体が、 「ヒッ!何だこりゃ、キモ!」 と言ってしまった。そこには、緑色の身体をした、人形の物が居たのだ。
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