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この前昇に誘われて男同士で久しぶりに呑むはずがその場のノリで絢香にも声を掛け結局三人で吞んだと言う内容だった。
「そうなんだ。昇元気そうだね。」
「あぁ。アイツ何時も割と元気だよな。一番安定してる。大学のメンバーの中で。彼女も居て心が満たされてるんだろうな。」
「そうかもしれない。可愛い彼女だし。」
「絢香とは仲良いんだな。」
「うん。ちょくちょく連絡取り合ってるし近況報告は出来てる方かも。」
鈴葉の言葉に隼人の表情がふっと変わる。それを見逃さなかった鈴葉は隼人から目が離せなくなった。
「…絢香から聞いた。」
重厚感を感じる声でボソリと呟く隼人。
「絢香から…?」
「鈴葉が元彼からよりを戻したいって言われてる事。」
───っ…。
「…そう…なんだ。」
すると今度は少し前のめりになりながら覗き込み言う。
「鈴葉の気持ちはどうなの?」
「私の気持ち…私は…、、」
隼人の顔を近くで感じながらその視線に捕まってしまった鈴葉は逃げ道を探そうと必死で考える。
───今の私にそんな風に聞かれても何て言ったら良いのか分からないよ。私は久保山君を以前よりも求めてしまっているけど正直弘道さんの事にもきちんと私なりの答えを出さないといけないから。
「鈴葉が好きだ。」
───はっ…。
そして間髪入れずに言う。
「誰にも渡したくない。」
「久保山君…。」
「戻るなよ。」
「え、あのね、まだ…、、」
「元彼になんか絶対に渡さないっ。」
力強い眼差しと鈴葉の頬を撫でる指が体中の神経を火照らせまるであの日の隼人に抱かれている感じを覚えていく鈴葉が居た。
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